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双極性障害(躁うつ病)のお仕事あるある

今回は、双極性障害(躁うつ病)の方のお仕事に関するあるあるをご紹介します。

双極性障害(躁うつ病)とは

双極性障害とは気分のアップダウンを繰り返す病気で、躁うつ病と呼ばれることもあります。気分が上がっている時を躁状態と言い、自信に満ち溢れて気が大きくなります。気分が落ち込んでいる時をうつ状態と言い、意欲や興味が減退してしまいます。

ストレスがかかると乗り越えるために一時的に躁状態となりますが、エネルギーを多く消費してしまうので、その後うつ状態になったり、気分は落ち込んでいるのに活動量が減らせない躁とうつの混合状態となったりします。ストレスに早く気付いて躁状態にならないように対処することで、症状の悪化を防ぐことが出来ます。

お仕事に関するあるある

では、就職活動やお仕事をする中で、どのように症状が出現するのでしょうか?特に調子を崩しやすい就職活動期、就職初期、繁忙期について、双極性障害さんのお仕事に関するあるあるを見てみましょう。

就職活動期

1.とにかくお給料の良い求人に応募しようとする

2.沢山の求人に一気に応募する

3.自信にあふれているので、面接試験でいつもより良く話す

躁状態になると、気分が良く、自信もわいてくるので、いつもなら選ばないような難しそうな仕事に何個も応募したり、体力と釣り合わないようなフルタイムの求人に応募したりします。周囲からの制止があっても、聞き入れることが難しいこともあるでしょう。応募をしたときは躁状態でも、時間がたつにつれて混合状態となって行きます。大変な求人に応募してしまったと後悔しながらも、求人検索は辞められません。うつ状態になると、応募してしまったことへの後悔が強くなり、気分の落ち込みが強くなります。「採用でも不採用でも、うまくいかないのでは…」と悲観的に考えたり、気力ややる気が減退してしまうかもしれません。

就職初期

1.早く仕事を覚えようとやる気満々、残業も進んでする

2.職場内の移動は小走り、自分から誰にでも積極的に話しかける

3.「すごくいい職場に就職できた」と喜びでいっぱい

新しい仕事が決まったときは、誰でもやる気にあふれるものですが、張り切り過ぎてしまうのが躁状態の特徴です。どんな仕事でも引き受けて、職場内をせかせかと動き回り仕事をする人もいます。いつもは消極的なタイプなのに、自分から進んでいろいろな人とコミュニケーションを取るようになる人もいます。しかし、この状態も何カ月も続くことはありません。どんどんと疲れが出てきて、混合状態となります。仕事では手が抜けず、目一杯働きますが、家に帰ると疲れが出て、食事をとったり家事をしたりすることが難しくなっていきます。その後、うつ状態となり、場合によっては出勤できなくなってしまうこともあるかもしれません。

繁忙期

1.休憩せずにひたすら仕事をする

2.いつもなら我慢できることなのに、イライラしてしまう(怒鳴ってしまう)

3.疲れているはずなのに、上機嫌で良く話す、仕事終わりに寄り道をする

特に双極性障害の方が躁転(躁状態になる事)してしまう可能性が高いのが、繁忙期です。「忙しいから、頑張らないといけない」と思えば思う[ワN1] ほど、適度な休憩を取ることも難しくなり、躁転していきます。常に緊張状態でイライラしているため、ちょっとした言葉や態度に反応して怒ってしまう人もいます。忙しくて疲れているはずなのに、体や心のスイッチをオフにすることができず、朝まで遊びに出かけるなど、いつもよりも活動量が増える人もいるでしょう。買い物が増えたり、うまく睡眠が取れなくなったりして、エネルギーをどんどん消費していきます。混合状態になると、多弁は続きますが内容がネガティブなものに変化したり、「休みたいのに休めない」という感覚が強くなったりしていきます。うつ状態になると、仕事に集中しづらくなり、ミスが増える、頭が働かないと感じることが増えるでしょう。繁忙期ほど、コントロールが重要です。


 [ワN1]思えば思うほど

躁転のサインを知る

ここまでは、躁転しやすいタイミングとその時の症状についてお話していきました。ここからは、躁転のサインについてご説明します。状態の悪化を食い止めるためには、躁転しないことが最も重要です。そのために躁転したサインにいち早く気づき、対処する必要があります。躁転のサインを見つけるポイントは、「いつもと違う」ということです。いつもは穏やかな人がイライラしていたり、いつもより大きな声で話をしたり、人によっては上記にある出来事以外にもいろいろなサインが出てくることがあります。「いつもと違うな」と思う行動には注意が必要です。

【具体例】

・服装が派手になる(いつもはつけないがアクセサリーをつけることが増える)

・SNSの利用頻度が上がる(いつもよりインスタグラムやXへの投稿が増える)

・刺激を求める(普段は見ないような怖い動画を見たり、激しい音楽を聴いたりすることが増える)

・買い物が増える(衝動的にネットでたくさん買い物をする) など

対処法を準備しておく

躁転するとどんな変化が起こるのか、あらかじめ見つけておくことで躁転に早い段階で気づき対処できるようになるでしょう。自分自身や周囲の人が「いつもと違うな」と気づいたら、どう対処するのか、主治医やサポートしてくれる家族、支援者と話し合っておきましょう。

頓服を飲むことはとても有効な対処法になるので、主治医と相談しておくことをお勧めします。また、テンションが高い時は、それ以上躁転してしまわないように、退屈だと思うような過ごし方をしたり、環境に身を置いたりすることも方法の一つです。あらかじめ気分のチェックリストやストレス対処法リストを準備しておくと良いでしょう。対処法は一つではなく、用意してくと使い勝手がいいです。時間がかかるもの・かからないもの、道具がいるもの・いらないもので整理し、その状況にあった方法を使える様にしておきましょう。

今回は双極性障害の方のお仕事に関するあるあるをご紹介しました。躁転を防ぐことで症状の悪化食い止めていきましょう。

丸

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