COLUMN
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MUHOOカウントダウン企画第2回 「法定雇用率の向こう側」その2 ~合理性の介入~

金川:この問題って本当今おっしゃっていただいたように合理的、合理性がこの障害者雇用ってものに入ってきたんですよね。もともとは人の雇用なんで、昔の障害者雇用って、例えば障害のある方が入ってきた時にみんなでどうしようこの人のことをって言ってすごい試行錯誤する。それを援助するジョブコーチっていう制度があるんですよっていうのでジョブコーチっていう人がマンツーマンでついて一緒に、企業も巻き込んで支援していくみたいな。要はみんなで苦労をするところを、過程を一緒に歩んでいきましょうよっていうようなものだったんですよね。

だけどそれじゃあもう追いつかない、数字の達成が追いつかないみたいなところがあって、合理性が入ってきたんですよね。今まではちゃんと苦労をして築き上げてきた質っていうところが多分おろそかになった、ていうところが問題になってきてると思うんで、この合理的にスピーディーに物事を解決するって、世の中の経済的な概念がやっぱ入ってきたことによる歪みっていうものがやっぱ非常に大きいんじゃないかなって思うと、もう一回、昔のようなやり方っていうものを実現していく、丁寧にやっていくっていう側面も、私もいるんじゃないかなっていうふうには思ってます。

個人で合理性ばっかりを追求するんじゃなくて、苦労をしていく、でその苦労をサポートする人がいる、それを使ってやっていくみたいな考え方も必要なのかなって個人的には思うんですよね。

仲地:なるほどジョブコーチですね、とかも含めて企業の中に入って確かにそのナチュラルサポートの形成とかそういう言葉で橋渡しとかそういうことやってますもんね。

金川:私はそれをずっとやってきたので、この後の論点の中でもお話しするかと思うんですけども、当事者ご本人と企業っていうだけではなかなか解決できない問題があるので、そこに我々のような支援とかを上手に活用しながらやっぱちゃんと質を維持していく。

仲地:それはね、大切なことだからこれ後半の論点2にしましょう。つまり支援者がどういう風に、特に今回はOTということですけども、我々が今後どういうふうなことを大切にしていけばいいのかっていうことをメイン論点にしましょう。

金川:わかりました。

仲地:前半とすると今までのところを、障害者雇用の法定雇用率っていうところで数字とか量っていうところに引っ張られてないか。その質というのを考えていかないといけないというようなことがとかあとは制度の理念とか魂はどこにあるのかとか、そういうようなことだったと思いますけども、ちょっと前半を振り返ってみたいなというふうに思うんですけど、ここね椅子があるんですよ。もう一人呼べるということですけど。

金川:呼びますか。

仲地:じゃあ呼んでみたいと思います。私の大学の同期でもあります竹林崇さんをね、呼んでみたいと思います。どうぞ。

仲地:今日は来ていただいてありがとうございます。

竹林:こちらこそありがとうございます。

仲地:前半の内容もスタジオで聞いていただいたということですけども、感想とか、あとは気になったキーワードがあれば聞かせていただきたいなと思いますけどいかがですか。

竹林:そうですね、まず法定雇用率の話っていうところのその先に、いわゆる雇用代理ビジネスだとかこういう実態っていうのをどれだけその作業療法士だとか福祉職の人が知ってるのかって、その上で就労っていうのを語ってるのかっていうのは本当にちょっと疑問に思ったというか、僕自体もそこまで詳しくは分かっていなかったところなので、この知識っていうのをどれぐらいの人が学生、卒業した時に理解してるのかっていうのは問に思ったところです。そこを知っていただくのが重要な部分になってくるなというふうに思いました。

感想なんですけど実際自分自身も本当に薄くなんですけど、対象者の方の就労っていうところに関わった経験が大学病院の時にあって、その時に言われた衝撃的な言葉が「何も問題を起こさずにいてくれたら給料を払うよ」って言われたんですよ。さっきの代理ビジネスの話ですごく思ったのは、あれだけのコストでその商品を、要は販売せずに生産性を作らないっていうところで成り立つビジネスだったら多分何もしなくても成り立つんだなって思って。

監査のシステムとか、今話題になってるいろいろな問題とかも、ノルマとかに注目が行くんですけど、結局その監査とかうまくその辺の問題点がしっかりできてるのかとか、その辺のモニタリングみたいな部分がどれぐらいしっかり機能してるのかっていうところが聞いていて疑問になりました。

仲地:はい、ありがとうございます。まさにそういうことが起こってるんですよ。離職っていう話が冒頭の金川さんの講義の中のテーマに一つにありましたけども、昔は一般雇用がハードだから離職するっていう当事者の方、声をよく聞いたんですけども、数年前からやることないから離職するっていう一般雇用の当事者の声を聞くようになりました。

今竹林さんがおっしゃったように一般雇用になったけども、とか一緒の場所にはいるけども思うような事業がとか業務が任されてないとかですね。そういうことがあるんだと思います。これって働くという作業、働くという意味合いを考えた時に何かこの組織の一員となってる感っていうのがなかったり所属の感がなかったり、こういうのが欠落すると働くっていう風に呼んでしまっていいのかな、もったいない状況にはなっていますよね。働く意味の中の大切な部分がかけている雇用。この辺もやっぱりいびつに感じるような一つの理由でしょうね。

竹林:なるほど、合理性を突き詰めたらそういう形になるだろうなってやっぱり思うんですけど、バランスがすごく難しいっていうことなんですね、ありがとうございます。あともう一点だけいいですか。ILOっていうところから指摘が入ったという話と、あとは色々なリハビリテーションに関わったり、人権の観点からというところでやっぱり日本のリハビリテーションて保険主義みたいな話も先ほどありましたけども、分離っていうところを指摘する場面ってすごく多いと思うんですけど、海外の就労支援っていうのは、そのインクルージュブっていう言葉がとファッション的に使われているような印象もやっぱりあるんですけど、海外においては分離っていうのを意識しない構造っていうのが今すでに大半なのかっていうのをちょっと伺いたいなと。

仲地:自分はそれが大半かどうかっていうのはちょっとわからないんですけども、イタリアで感じたことで僕がその就労支援に足を踏み入れるきっかけになった出来事があるんですけども。イタリア、トリアシテに行った時は精神いわゆる巨大精神病院を全廃した地域があるんですけどもね。そこでこの精神科医療の在り方っていうことにも非常に感銘を受けましたけども、そこにあった社会的協同組合っていう企業体のあり方そのことに非常に衝撃を受けたわけですね。

何だったかっていうと雇用につきにくい方々を従業員の3割雇用してる企業体のことを、簡単に言うとですね社会的協同組合というやり方があったわけですね。イタリアでこれが7万組織ぐらいあって一つ一つが大きな企業体なんですよ。この中では雇用されるのは障害者ってことを取り立てて雇用するわけじゃないんですね。雇用につきにくい人たちの積極雇用なんですよ。その中には障害者もいるしホームレス経験者もいるし、引きこもり経験者もいるし、貧困家庭で育ったお子さんで経験が少ない方や知識が少なかった方、制度の使い方が、経験が少ない方、そういう方の積極的雇用っていうことをする企業体があったんですね。それは一般競争原理にさらされる企業の中で3割がそういう雇用マイノリティの方々の積極雇用するっていうことですのですごいですよね。

そういうところでいろんな背景を持った人が一緒に働くっていうことが相互理解の役に立つなと思ったんですね。だから一緒に働くっていうことに僕は非常に大きな可能性を感じて就労支援の業界に飛び込んだ。なので今もインクルージョンとか一緒にっていうことに重要視をしている。しかもこういう働くっていう現場においてはせっかく相互理解のいい手段なのにそこを分けてしまうとどうすんのって思うわけですね。

子供は一緒に遊ぶということが非常に相互理解に役立ちますし、大人は一緒に働くということが一番だと思ってるので、いろんな人たちが一緒に働くということが非常に重要で、それがイタリアから広まってヨーロッパ全土でソーシャルファームという言い方ですけども、広まってですね。ソーシャルファームっていうのはファームは農場のファームじゃなくて、firmっていう組織とか企業っていうファームですので、社会的企業みたいな感じですけども。

東京ではソーシャルファーム条例ができて、外国人障害者の積極的雇用とか引きこもり経験者の積極的雇用とかそういうことがもうすでに始まってるんですね。なのでその障害者ということを取り立ててやるんじゃなくて、しかも福祉事業とか福祉制度の中じゃなくて企業の中でビジネスでもってしっかりと雇用していこうそういうことが世界から今日本へも波及してきてる。そういうような状態だと思ってますね。

金川:そうですね。今雇用率っていう制度だけで考えるとその前に障害者雇用を進めていくやり方って二パターンあって、要は今みたいに日本みたいに法定の雇用率を決めてそれを義務付けることで進めていくってやり方と、そういうのを置かずにやっていくやり方の2つありまして。

この前者の法定雇用率を置くっていうやり方をやってる国っていうと日本以外に言うとフランス、ドイツとかなんですね。そういう国々が何%かあるんですよ。どっちが6でどっちが10か忘れたんですけどフランスとドイツは多分それぞれ6%、10%。要は日本よりも全然高い数字で置いてるんですよね。で一方アメリカは雇用率ないんですよ。

ちなみにその日本のジョブコーチ制度はアメリカから持ってきてるんです。元々アメリカではどういうふうに進めていくかっていうと、あそこって多民族国家じゃないですか。だから色んな方いるよねっていう全体前提の中で障害のある方っていうのもいるよねっていう考え方なので、別にそれを法律で義務付けて進めるなんて必要がないんですよ。なので文化背景が違う方々を一緒に織り交ぜて働くにはどうしたらいいかっていう考え方なんですね。日本とかみたいに障害者雇用をどうするかっていう考え方ではないので。そういう意味でちょっと進め方が違うっていうのがあります。

こういうビジネス的なやり方とか特例子会社っていうやり方はもう日本独特な制度なんです。察するには日本の文化からの成り立ちにはなってくるのかなっていうふうに思います。なのでILO勧告とか障害者権利条約の話なんか出てくるのは海外から見た時にそれってどうなのってやっぱ映ってるっていう事実はあるのかなっていうふうには思ってます。

竹林:なるほど、数値を目標とするのか、目標って例えば達成しなくても何かしら、要はもっと大きなその先にある目的、社会的目的に向かって構造的な修正を加えていきましょうって言葉だと思うんですけど、それをノルマとして捉えるとその数字を超えるのが目的になってしまったりというところで、だからそういうその数値っていうところを設定してでそれに対しての要は手段その数字を超えるのが目標になってある程度いろんな枠組みができてきたっていうところが一つ日本の独特な形っていう理解でも大丈夫ですか。

金川:いいと思います。正直なところ日本はこの公立制度がなかったら進まないと思います。やっぱり漢民族国家なので、異文化を受け入れるって事やっぱすごい抵抗がある文化だと私は思ってるんですよ。なのでアメリカみたいな進め方をしたらやっぱり推進力っていうところがなかったので、雇用率が悪いっていうのでは私はないのかなと。スタートとしては必要な部分はあるのかなって思ってますね。

竹林:それが目的になってる部分もあるのが少しそのいびつさを生んでるかもしれない。

金川:そうですね、だからそれがきっかけでやり始めるって企業が増えてるっていうのも事実なのでなければ多分そこまでにはならなかったんじゃないかなって個人的には思いますね。

竹林:ありがとうございます。

仲地:はい。だから障害者法定雇用率があるから障害者を雇用しましたよっていう企業が多いっていうのは事実ですよね。でもそれは目的と並んでそれがスタートになったらいいなっていうことですよね。

丸

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