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メンタル不調で休職中、お金の不安を解消する方法「傷病手当金」

 休職中は収入が得られず、貯金を崩して生活をする方が多いのではないでしょうか。メンタル不調の場合、休職期間がはっきりしないため、「いつまで休めばいいの?その間の生活費はどうしよう?」など不安を感じる方も少なくありません。経済的な不安から状態が良くなっていないにも関わらず復職を決める方もいらっしゃるのではないでしょうか?

休職期間中にもらえるお金「傷病手当金」

 休職しており収入が得られないとき、健康保険の「傷病手当金」を受け取ることができます。傷病手当金とは、「病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度」で、会社員などで健康保険に加入している被保険者本人が受け取ることができるお金です。4つの条件を満たせば、一定期間お金が本人に支給されます。

目次

○ 支給される期間は?

○ いくらもらえるの?

○ 支給の条件は?

○ いつ請求すればいいの?

○ どうやって請求するの?

○ いつ支給されるの?

〇 安心して復職するために

支給される期間は?

 受給期間は、一つの病名に対して支給開始から通算して1年6ヶ月間です。つまり、支給開始から1年6か月以内に復職し、再休職した場合は、同じ病名でも受給することができます。調子が良くならず、1年6ヶ月を超えて休職した場合は、受給することができないので注意が必要です。そのため、メンタル不調の場合は申請するタイミングを検討した方が良いでしょう。待機期間については、「支給の条件」で解説します。

いくらもらえるの?

 支払われる金額については、健康保険に加入していた期間や過去12ヶ月間に支払われたお給料により異なりますが、交通費なども含む給与の総支給額のおよそ2/3の金額が支払われます。

 支給額は、標準報酬月額という健康保険料を算出する際に使われる金額をもとに計算されています。標準報酬月額は50等級に分かれており、過去の給与を平均額と照らして等級と支給額が決定されています。

※働いている間は給与から保険料や住民税が引かれていますが、休んでいる間も支払う必要があります。会社から連絡がくる場合があるので、毎月払うか復職後にまとめて払うか決めておくことをお勧めします。

支給の条件は?

傷病手当金の支給には4つの条件を満たす必要があります。

①業務外の事由による病気や怪我の療養のための休業であること

 働くことができないことについての証明(診断書)があるときは支給対象となります。

 入院の必要がなく、自宅療養の場合でも受給することができます。

<対象とならないもの> 

 業務上や通勤中の怪我や病気である場合(労災保険の対象)、美容整形などの病気をみなされないもの

②仕事につくことができないこと

 勤務することができない状態であるかの判断は、受診した病院の医師の意見をもとに仕事内容を考慮して行われます。

③連続する3日間を含み4日以上働けないこと

 怪我や病気のため、仕事を休んだ日から連続して3日間(土日祝、公休、有給を含む)の後、4日目以降の休業した日に対して支給されます。この3日間のことを待機期間といい、この間に給与があったとしても問題ありません。病気や怪我になった日を待機期間の初日として考えます。

 病気や怪我になってからから3日間連続して休んだ日があれば待機期間は完成なので、次に休んだ日から支給対象となります。

④休業した期間について給与の支払いがないこと

 生活保障を行う制度であるため、給与が支払われている間は傷病手当金は支給されません。ですが、給与の支払いはあるけれども傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されることがあります。

いつ請求すればいいの?

 傷病手当金は、事後申請で月ごとの計算になるため、毎月請求してもいいですし、数ヶ月まとめて申請してもOKです。復帰後にまとめて請求することもできます。

 また、退職後や、傷病手当金受給中に退職した場合でも請求は可能です。ただし、退職日までに12ヶ月以上健康保険に加入しており、上記の4つ条件を満たしてる必要があるので注意が必要です。これまでの加入期間がわからない場合は、加入していた健康保険に問い合わせをすると教えてくれます。

 請求の期限は、傷病手当金の支給対象になった日から(待機期間が完成してから)2年以内です。これを超えての請求はできないので、気をつけましょう。

どうやって請求するの?

 傷病手当金の申請には、傷病手当金支給申請書が必要です。多くの場合、休職することになると会社から傷病手当金支給申請書が渡されます。申請書は4枚1セットの書類で加入している健康保険のホームページからもダウンロードが可能です。

申請書は4枚1セット

・本人記入欄 2枚

・事業主(会社)記入欄 1枚

・医師・医療機関記入欄 1枚

 申請を希望する場合、会社に希望を伝え、事業主記入欄を書いてもらいましょう。対象となる期間の給与が確定してからでないと記入ができないので、書類の作成に少し時間がかかる場合があります。給与の締め日がいつなのか確認しておくといいでしょう。また、主治医に医師・医療機関記入欄を記入してもらいます。この時、書類作成に費用がかかることがあります。また、書類が出来上がるまで2週間程度かかることがあるので、注意が必要です。

 本人記入欄を書き、会社、病院それぞれから書類を受け取ったら加入している健康保険に郵送しましょう。郵送先がわからない場合は、健康保険証に書いてある保険者名称や保険者所在地で調べてみてください。

いつ支給されるの?

 傷病手当金の支給は請求してから2週間〜1ヶ月程度かかります。初回の請求の場合は審査に10日ほどかかるため、1〜2ヶ月かかることもあります。請求の書類を提出すると、振り込み日が記載された支給決定通知書が送られてくるので確認しましょう。休職が長くなる場合は、請求のタイミングを決めておくと、振込日も決まってくるでしょう。

安心して復職するために

 やむを得ず休職することになった時、回復へ向かうためには経済的な不安を少しでも解消することは重要です。そのために、傷病手当金の制度を活用してみてはいかがでしょうか。生活費のために焦って復職することで、症状の再燃や再発に繋がることも少なくありません。

 安心して復帰するためには、休職期間にゆっくり休養を取り、復職に向けたリハビリに取り組むことが大切です。同じ病名で傷病手当金を受給する際には、期間の制限がかかるため再発防止に向けた取り組みは必須ではないでしょうか。ワンモアでは、休職中の過ごし方や復帰に向けた体力づくり、再発防止のためにすべきことなど、安心して復職するためのサポートを行なっています。

参考:全国健康保険協会.

病気やケガで会社を休んだとき | こんな時に健保 | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)

丸

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