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COLUMN

【不安・メンタルヘルス】不安シリーズその1「不安についての基礎知識」

                                                 著者 臨床心理士/公認心理師・平野秀幸 

令和6年8月の内閣府の世論調査によると、日常生活の中で悩みや不安を感じているかという質問に対して、「感じている」とする割合が78.2%となったそうです。皆さんは日常生活で不安を感じたことはありますか?不安で眠れない、不安で手が震える、不安でのどが渇く、不安でおなかが痛くなる…不安は体に様々なサインとなって表れます。頭の中が不安でいっぱいになってイライラしてしまう、集中力が下がるというように心理・メンタル面での変化を通して不安を実感することもあります。今回のコラムでは不安についての基礎知識をご紹介します。

目次
●不安が持つ役割とは?
●不安が引き起こす「不安障害」
●不安との付き合い方
●さいごに

・不安が持つ役割とは?

上述のとおり、不安は身体面や心理・メンタル面に様々な影響を与えます。では不安は無い方がいいのでしょうか?実は不安には日々の生活の中で必要不可欠な役割があります。不安は「危険に対して警戒せよ」というサインや、危険から身を守るための「アラーム」という役割があります。例えばテストで悪い点数を取ったらどうしよう…という「不安」を感じて勉強を頑張って悪い点数を回避する、車を運転中に人が飛び出してきたらどうしようという「不安」を感じて減速や一時停止をし、交通事故を回避するという例が挙げられます。言い換えると不安が動機づけとなり、日常生活の様々な場面で起こる危険やトラブルの回避に役立っていると言えます。

・不安が引き起こす「不安障害」

不安は日常生活の危険やトラブルを回避するために重要な役割を果たしていますが、強すぎる不安や不釣り合いな不安は、人間を苦しめる要因にもなり得ます。不安が過度になりすぎてしまい、日常生活に影響を与えている状態は「不安障害」という疾患として扱われることがあります。厚生労働省がまとめる「こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」では、不安に関連する疾患が下記のようにまとめられています。

パニック障害 突然理由もなく激しい不安に襲われて、心臓がドキドキする、めまいがしてふらふらする、呼吸が苦しくなるといった状態となり、場合によっては死んでしまうのではないかという恐怖を覚えることもあります。このような発作的な不安や体の異常な反応は「パニック発作」と呼ばれており、パニック発作がくりかえされる病気をパニック障害と呼んでいます。
社会不安障害(社会恐怖) 人に注目されることや人前で恥ずかしい思いをすることが怖くなって、人と話すことだけでなく、人が多くいる場所(電車やバス、繁華街など)に、強い苦痛を感じる病気です。怖さのあまりパニック発作を起こすこともあります。失敗や恥ずかしい思いがきっかけになることも多いのですが、思春期の頃は、自分で自分の価値を認められなかったり自分に自信がもてなかったりすることから起きてくる場合も多くあります。 社会不安障害では、自分でも、そんなふうに恐怖を感じるのは変だなとわかってはいるけれど、その気持ちを抑えることが難しくなります。徐々に、恐怖を我慢しながら生活したり、外出や人と会うこと(怖いと感じること)を避けるようになったりします。
強迫性障害 つまらないことだとわかっていてもある行為をやめられず、くりかえし同じことをしていないと不安でたまらなくなります。 たとえば「くりかえし手を洗い続ける」「火の元や戸締りを何度も確認する」「階段や電信柱など気になった数や、頭に浮かんだ数字を数え続ける」といったものがあります。 自分でも不合理だとわかっていても、しないではいられない「強迫行為」をくりかえすことに時間がかかってしまって、学校や日常での生活に影響が出てくることがあります。
全般性不安障害 学校のことや家族・友達のこと、生活上のいろいろなことが気になり、極度に不安や心配になる状態が半年以上続きます。 不安だけでなく、落ち着きがない、疲れやすい、集中できない、イライラする、筋肉が緊張している、眠れないといった症状もみられます。

・不安との付き合い方

不安との付き合い方には様々な方法があります。日常生活の中で手軽にできる方法もたくさんあるので、自分にできそうなものや合っていそうなものを探してみましょう。下記にいくつか例を紹介します。

呼吸を整える(深呼吸や腹式呼吸)

皆さんは呼吸に意識を向けたことはありますか?大きく深く息をする深呼吸や腹式呼吸には副交感神経というリラックスにつながる神経を活性化する効果があり、不安を和らげるとされています。就職活動の面接前やテストの直前など、大事な場面の直前でも手軽に行えるというメリットもあります。また不安で眠れない際に呼吸に意識を向けると、不安が緩和され入眠しやすくなるという効果も期待できます。また呼吸法と関連して、呼吸を整えるストレッチやヨガを行うことも効果的です。ワンモアではヨガ講師の先生をお招きして、ヨガのレッスンのプログラムを開講しています。多くの利用者様がヨガを通して心身の調子を整えられています。

不安を紙に書き出す

皆さんは不安を感じているとき、「頭の中が不安でいっぱいになる」という経験をしたことはありますか?不安を感じているときは頭の中に様々なことが思い浮かびます。不安が頭にいっぱいになると、考えがまとまらず混乱したような状態になることがあります。このような状態は不眠や集中力の低下や睡眠の乱れにつながるため、頭の中の不安を整理する必要があります。「紙に書き出す」という行為は不安を整理するために効果的な方法です。自分が不安を感じている対象や、自分の頭に思い浮かぶイメージを書き出すことで、自分に降りかかってきている不安を客観的に見ることができます。客観的に眺めることは状況の整理につながるだけでなく、不安への対処法や解決策のひらめきにつながることもあります。また「書き出す」という行為自体に瞑想のような効果が生まれることもあり、不安の緩和につながると言われています。

 ③自分の不安を感じるパターンを知る(認知行動療法などの心理療法の活用)

客観的に自分の抱えている不安を眺める方法は紙に書き出すだけでなく、心理療法を活用することも効果的です。不安を感じた出来事やイベントを整理していくと、自分の不安を感じるパターンや考え方の癖が見つかるかもしれません。認知行動療法などの心理療法は不安を感じるパターンや考え方の癖を振り返り、不安が緩和されるような新しい視点の獲得や物事の捉え方の見直しにつながるものです。ワンモアではプログラムの一環として認知行動療法を取り入れており、不安との付き合い方を学ぶことができます。詳細は下記のコラムをご覧ください。

認知行動療法とは?~基本的な考え方をご紹介~

・さいごに

不安は日常生活で必ず発生する感情です。不安とうまくつきあえることはメンタルヘルス不調の予防や安定した就労、充実した日常生活を送ることにつながります。不安に関連する情報は今後もワンモアのコラムで紹介する予定ですので、ぜひご覧ください。ワンモアでは不安だけでなく様々なメンタル不調についても学ぶ機会が得られます。自己理解を進める体験的なプログラムも多く設けています。ワンモアの支援についてはこちらをご覧ください。 

プログラム – 就労移行支援と企業向けメンタルヘルスサービスを提供しています – ワンモア

○このコラムを作成するにあたって、下記のwebサイトを参考にしています

・「働く人のメンタルヘルスポータルサイトこころの耳」 (https://kokoro.mhlw.go.jp/

・「こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」

( https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/index.html )

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