【拒食症・過食症】摂食障害のお仕事あるある
今回は、摂食障害の方のお仕事に関する「あるある」をご紹介します。
●摂食障害とは
●仕事に関する困りごと
●対処法を準備しておく
●さいごに
●摂食障害とは
摂食障害とは「食事が上手く摂れなくなる病気」のことで、食生活を中心に色々な問題が起こります。拒食症や過食症と言われることもありますが、代表的なものとして、神経性やせ症、神経性過食症、過食性障害、回避制限性食物摂取症の四つに分類されます。

①神経性やせ症
体重や体型の感じ方に障害があり、痩せるために食事量を制限したり反動で過食したりする方もいます。明らかな低体重がみられます。
②神経性過食症
体重や体型の感じ方に障害があり、食事量のコントロールができず、 頻繁に過食をします。過食への罪悪感から下剤の使用や嘔吐をする方もいます。低体重とは限らず、正常または過体重な方もいます。
③過食性障害
体重や体型の感じ方に障害があり、食事量のコントロールができず、頻繁に過食をします。下剤の使用や嘔吐はみられません。低体重とは限らず、正常または過体重な方もいます。
④回避制限性食物摂取症
体重や体型へのこだわりはなく、食事量の減少や偏食、食事の拒否などがみられます。下剤の使用や嘔吐はなく、低体重から正常体重のことが多いです。
摂食障害、というと「痩せたい願望が強い」「とても痩せている」というイメージを持たれる方もいらっしゃいますが、必ずしもそうとは限りません。
●仕事に関する困りごと
摂食障害は日常生活への影響も大きく、摂食障害が理由で仕事上に何らかの苦労を感じている方は約8割とも言われています。職場で起こりやすい困りごとをいくつかご紹介します。

・昼食を一人で食べていたら上司に心配されて声をかけられた

・おやつが配られるときに毎回理由をつけて断っていて罪悪感がある

・飲み会の誘いを断って付き合いが悪いと言われた

職場の方に摂食障害について伝えておらず対応に悩まれることもあれば、伝えたとしても理解が十分でないと心ない言葉を言われることもあるようです。
●対処法を準備しておく

・仕事について
まずは、体調面を考えて今働くことが可能か検討が必要です。病院で主治医やMSWに相談しながら働き方を考えましょう。勤務時間や職場の雰囲気によって食事の問題がクリアされることもあります。
・障害の開示について
摂食障害について話す方が良いかは職場にもよります。支援者や職場の産業医に相談してみるのが良いでしょう。
・職場での対応について
障害を開示する場合は「昼食は一人で食べる」「食事を伴う会への参加を強制しない」など、事前に支援者と相談した配慮事項を伝えておくと良いでしょう。
障害を開示しない場合は、困りそうな場面での対処法を準備しておくと良いでしょう。例えば、食事の誘いを断るときの理由を予めいくつか準備しておくと、お互いに嫌な思いをせずにその場をやり過ごすことに繋がります。
●さいごに
摂食障害に限らず、就職時に自身の病気や障害について伝えるか否か、伝えるとすればどのように伝えるかを考えるのに苦労される方もいるでしょう。ワンモアでは、就職前後に障害の開示や合理的配慮についても一緒に考え、必要に応じて企業にも介入します。
ワンモアの支援についてはこちらをご覧ください。
プログラム – 就労移行支援と企業向けメンタルヘルスサービスを提供しています – ワンモア
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回のコラムを作成するにあたって、一般社団法人 日本摂食障害協会の「摂食障害患者の就労実態調査と社会復帰支援 報告書」と「摂食障害 情報ポータルサイト」を参考にしています。