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「経済学で考える障害者就労 ~福祉と雇用の関係性を中心に~」(研修レポート)

2024年3月7日、豊中市障害者就労支援連絡会主催のセミナー「経済学で考える障害者就労 ~福祉と雇用の関係性を中心に~」が開催され、当法人からも運営と参加で携わりました。

今回は慶應義塾大学商学部の中島隆信教授を講師に迎え、障害者福祉サービスや障害者雇用の現状、今後の改善策について、経済学的視点からの講演が行われました。

1. 障害者福祉サービスの分類と課題

福祉サービスは「消費型(例:居宅介護・定着支援)」と「投資型(例:自立訓練・就労移行支援)」に大別されます。中島教授は特に就労継続支援A型・B型に言及し、両者は“混合型”として消費と投資の両側面を持ち合わせるが、実際にはその両立が困難で、サービスの質低下にもつながっていると指摘されました。

2. 改善に向けた提案

障害者が自らに適した支援を選べる環境づくりが重要であり、工賃や給付金との連動の見直し、A型事業所へのガバナンス強化などが提案されました。ガバナンス不全による制度の悪用リスクを防ぐため、社会福祉法人への監査強化や制度の適正化も求められています。

3. 障害者雇用の現状と課

障害者雇用が法定雇用率を満たす“義務”として捉えられがちである点が課題として挙げられました。農園型雇用や特例子会社などの導入は進んでいますが、障害者の能力や希望を十分に活かせる環境とは限りません。雇用を「投資」と捉える視点への転換が求められます。

4. 企業の視点と雇用戦略

企業活動は「コスト」と「投資」に分けられます。障害者雇用を後者として位置づけることで、長期的視野に立った取り組みや成果を見込むことができます。人件費や福利厚生も“未来への投資”と捉える企業文化の形成が重要です。

5. 講演のまとめ

福祉給付は「社会からの投資」であり、その成果を社会に還元する姿勢が求められます。中島教授は、DEI(多様性・公平性・包括性)の観点も踏まえながら、障害者福祉と雇用の在り方を再考することの重要性を強調されました。

6. 参加者の感想

「福祉事業所が“社会からの投資”を受け、社会に“リターン”を返す」という表現が非常に印象的でした。経済学という分野は普段あまり触れる機会がないものの、非常にわかりやすく解説していただき、障害者雇用の可能性や課題について深く考える貴重な時間となりました。

丸

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