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【言語流暢性】仕事中にとっさに言葉が出てこない。性格ではなく病気のせいかもしれません ―――病気による脳機能の変化とトレーニングで向き合う方法


普段の生活の中で、こんな経験はありませんか?

  • 「話しかけられたのに、とっさに返事ができず気まずくなった」
  • 「仕事で急に話を振られて頭が真っ白に…」
  • 「メールの文章を考えるのがとにかく苦手」

もしかしたらそれ、「流暢性(りゅうちょうせい)」という認知機能が関係しているかもしれません。

今回のコラムでは、認知機能のひとつである「流暢性」についてご紹介します。
※前回のコラムでは、認知機能の一つである処理速度について取り上げました。

【処理速度】処理速度が低い人って?~対処法と向いている仕事~ – 就労移行支援と企業向けメンタルヘルスサービスを提供しています – ワンモア

目次 
流暢性とは?
 ✓生活での困りごと
流暢性×仕事
 ✓特に流暢性を求められる仕事
 ✓流暢性を鍛えるためには?
まとめ

流暢性とは?                                   

「流暢性」とは、情報、特に言語情報を適切に、素早く、たくさん処理して表現する能力のことです。
この能力がうまく働かないと、言いたいことがうまく出てこなかったり、アイデアが浮かばなかったりします。

統合失調症やうつ病などの精神疾患では、認知機能の一部としてこの「流暢性」が低下することもあります。

【認知機能】精神疾患で低下しやすい9つの機能 – 就労移行支援と企業向けメンタルヘルスサービスを提供しています – ワンモア

生活での困りごと                      

◎雑談が苦手になる

雑談は、その場の流れに合わせてとっさに反応する必要があります。流暢性が低いと、話しかけられても返答が思いつかず、会話についていけないことも…。

特に複数人での会話では、自分の発言のタイミングがつかめず、話に入れないこともあります。

◎急な電話が苦手

電話は、視覚情報がない分、言葉だけでやり取りしなければならないため難易度が上がります。
うまく言葉が出てこないと、相手に誤解を与えたり、自分の伝えたいことが伝えられなかったりといったトラブルも起きやすくなります。

流暢性×仕事

仕事上では同僚・上司、部下、外部の人など様々な人とのコミュニケーションを求められます。流暢性が低い方のよくある仕事でのお困りごとを紹介します。

◎報・連・相がうまくできない

仕事をする上で必須のコミュニケーションといえば、報連相になります。流暢性が低いと、上手く言葉が出てこないので、

「上司にどう相談していいか分からない」
「報告する時に焦ってしまって、話が整理できない」
といったことが、仕事の場で起こりやすくなります。

◎会議で意見が言えない

アイデアを出すことが苦手なため、会議などで意見を求められても、とっさに答えられないことがあります。
「何も考えていないように見えてしまうのではないか…」と不安に感じる方も多いです。

特に流暢性を求められる仕事                           

これまで紹介したような困りごとがある方は、「できるだけ流暢性が必要ない仕事に就きたい……」と思われるかもしれません。特に流暢性が求められる仕事を紹介します。

◎営業職

営業は、お客様のニーズを引き出し、自社の製品やサービスを提案する仕事です。会話のキャッチボールや交渉が多く、流暢性を必要とする場面がたくさんあります。

◎接客業

飲食店やホテル、小売店などの接客では、来店されたお客様との会話が欠かせません。質問に答えたり、注文を取ったり、臨機応変な対応が求められるため、流暢性が重要になります。

このような仕事は流暢性が低い方は苦手な傾向にあります。仕事選びの際に参考にしてください。

流暢性を高めるには?                               

流暢性は認知機能の一つなので、改善させる方法もあります。次は改善方法や対処法についてお伝えします。

◎認知機能リハビリテーションを行う

「NEAR」という認知機能リハビリテーションの方法があります。
当施設でも「認知リハ」という名前で実施しており、ゲームや話し合いを通じて、言葉を出す力など苦手な機能の改善を目指します。

◎言葉が詰まったときに使えるフレーズを覚える

「自分は言葉に詰まってしまうことが多い」と思っていると、会話する際などに更に緊張して頭が真っ白に……と悪循環に陥りがちです。困った時に使える便利なフレーズをご紹介します。

  • 「少々お待ちください」
     返答に時間がかかりそうな時、まずこの一言を伝えることで相手も安心し、自分も焦らず考える余裕が生まれます。
  • 「一度確認してまいります」
     一度その場を離れ、確認や相談をすることで冷静に対応ができます。電話なら「折り返します」と伝えて一度切るのも◎

どちらのフレーズも「今、対応中です」と相手に伝えるのがポイント。沈黙が続いてしまうより、誠実な印象を与えることができます。何かあったらこれを言えばよい、と覚えておくことで、少し安心できて落ち着いてコミュニケーションを取るお守りにもなります。

まとめ

今回は「流暢性」についてご紹介しました。

「これ、私のことかも…」と思い当たる方も多いのではないでしょうか?
しかし、「どうしようもない」とあきらめる必要はありません。認知リハや、日常で使える工夫を取り入れながら、少しずつ対策をしていくことができます。

自分のペースで、できることから始めてみてください。ワンモアでは認知リハで流暢性へのアプローチもしております。もし一人で悩んでもどうしたらいいかわからないときはワンモアにご相談ください。

丸

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